痴漢の冤罪ってどうなの?という質問をもらったので、ちらっと書いてみよう。

とりあえず基本的な話から。

「異性に対する直接的なわいせつ行為」として普通の人が普通にイメージする行為は、程度のキツイものから順に

・強姦(3年以上20年以下の有期懲役)
・強制わいせつ(6月以上10年以下の有期懲役)
・迷惑防止条例違反(6月以下の有期懲役または50万円以下の罰金)

の三段階に分けられると言って良い。厳密な定義の違いはあるけども、今回の主題とは外れるので割愛する。
※「痴漢」というのは法律用語ではない

このうち「強姦」というのは、陰部に性器を挿入する行為なので、「痴漢」という言葉でイメージする行為からは外れると思う・・・多分。異論はあるかもしれないけど。

で、迷惑防止条例違反と強制わいせつの違いは、一般的には、

強制わいせつ→体に直接触る(要するに下着の上からじゃなく直接陰部に触るなど)
迷惑防止条例違反→衣服の上から触る

と言われている。

さて、今回の記事のタイトルは、「痴漢の冤罪を予防する方法」である。

“冤罪”になるくらいなので、上に書いた区分でいうと、強制わいせつ行為ではなく、迷惑防止条例違反で逮捕されるケースを想定する。冤罪の場合の“被害”女性は、「直接触られました」と訴え出るのかもしれないけど、現実の男性側の行為としては服の上からということになるだろうからだ。

迷惑防止条例違反の定義を確認しよう。

(東京都迷惑防止条例違反)
第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること

要するに、【電車の中で、人が非常に恥ずかしがるような方法で、衣服の上から人の体に触る】とアウトということ。

電車(特に満員電車)の中では、老若男女問わず体が触れたり密着したりすることが多いのだけど、「人が非常に恥ずかしがるような方法」という限定があるので、典型的に問題となるのは、胸、お尻、股あるいは脚を触る行為になるだろう。

電車内には監視カメラがついていない事が多く、また満員電車ではかなり視界が狭くなる。なので、痴漢の迷惑防止条例違反の事件だと、犯罪を基礎づける証拠は“被害”女性の証言しかないことも多い。

で、水掛け論になる。つまり、

「後ろからお尻を触られました!」

という証言が出て、たまたま後ろに立っていた男が捕まったとしよう。

真実が、

・持っていた荷物が動いて当たっていただけ
・ポケットの携帯を取り出そうとしてモゾモゾしてただけ
・そもそも触っていたのが自分ではなくその隣の人間だった

というケースであっても、一般的に被疑者の発言は信用できないと思われているために(ここが大問題なんだけども)、被疑者の方の「やってません!」が通らなくて、あるいは、警察の取り調べで「認めたら早く出られるぞ」なーんて誘導に乗ってしまって「やったかもしれません」とか言ってしまったがために、有罪になってしまうことがあるのだ。

で、一般的に言われている冤罪回避の方法は、まず、

「電車内では両手で吊革を持つ」

という方法だろう。だけど、自分が両手で吊革を持っている姿を運良く隣の人が見ていて、それを証言してくれたならまだしも、本気の満員電車ではそれすらかなわないかもしれない。

また、触られている手を直接掴んで捕まるパターン以外にも、ちょっと離れた後で“似たような手を掴んで”捕まるパターンとかもあるので、両手で吊革を持っていたとしても完璧とは言えないだろう。

・そもそも、女性の近くに立たない
・絶対に駅員室に行かずに逃げる

というアドバイスもあるけど、ここは一つ、

【逮捕されてしまっても、真っ向勝負して無罪認定してもらう】

ためにできることを考えてみた。

大切なのは、

『どう考えても、両手が塞がっている』という状況をつくり、客観的な証拠として残すことだ。

まず片手が埋まっていることを証明するために、

【スマホを弄ってラインでメッセージを送り続けたり、フェイスブックやツイッターでいいね!を押しまくる】

というのはどうだろうか。たいてい、痴漢行為というのは数分間継続して行われるため(難癖をつけて示談金を取ろうとする場合は別だが、普通は「痴漢されてる!」と自覚するまでに暫く時間がかかるだろう)

1分おきにいいね!を押し続けてたり、最低限、スマホを色々と操作していれば、ログを解析することで、片手が塞がっていることを証明できるかもしれない。

次にもう片方の手の対処を考える。(スマホ側に「両手持ちしていることを記録するアプリ」なんかがあれば良いんだけど、聞いたことがない。)

ビジネスマンで一番多いのは、「カバンを持って下におろしている」というパターンだと思う。

これで大丈夫という人もたまにいるけど、自分としては、“カバンって足元に置くことも多いよね”と思うので、完璧とは言えない気がする。実際僕はそう考えてビクビクしている。

で、考えたのは、こちらの手については、

【普通手放すことがありえないものを、カバンの取っ手と一緒に掴んでおく】

という方法。具体的には、

【お弁当箱を風呂敷に包んで掴む】
【缶コーヒーやパンをコンビニ袋に入れて持つ】

という方法だ。お弁当箱がカバンに入らないサイズだったり、缶コーヒーやパンを電車に乗る直前に買うときにスイカやパスモで買うと、記録が残るのでもっといいかもしれない。

ここまでやれば、裁判で十分戦えるだけの証拠が集まると思うのだが、如何だろうか。
※皆さんのコメントをお待ちしています。