最近ちらほら身の回りでもインハウスローヤーの話が(弁護士サイドじゃなくて企業サイドから)出てきたので、メモ。

インハウスローヤー(インハウス)として一般的に想像されるのは、「弁護士有資格者の正社員」だと思う。

この雇い方のメリットは、何をおいても、「融通が効く」という所だろう。従業員である以上、時間的場所的に会社の指揮命令下に置くことができる。刑事事件に緊急出動することもない。

 

また、今の《就職難》状況からすると、地位の安定性を売りに比較的安く人材を調達できることも魅力だろう。

弁護士1年目の勤務弁護士の初任給の中央値は400ー500万円程度と言われていたと思うが、仮に500万円で雇ったとして、週40時間労働だと、ざっくりタイムチャージは時給2500円くらいになる。

(ちなみに弁護士を雇う以上、流石にサビ残は期待しない方がいいだろう。)

大手事務所だとタイムチャージで5万円とかは聞くし、中堅の若手でも2万とか取ったりもする。法律相談でも30分5000円なんだから、これは一般的に低水準だ。

それでも、今のご時世、営業上のリスクやら経費負担やらそういうネガティブサイドを避けられるメリットを享受するために時給2500円のオファーに応じることは十分合理的選択だし、そもそも大手の事務所の1年目のじk(略

なお、企業側のニーズとしては、「使えない新卒の弁護士を採って教育するコストもノウハウもないので、ある程度経験を積んだ人を」となるのだろうけど、その分想定タイムチャージも高くなるし、

弁護士側も、特に東京の2〜5年目くらいの若手であれば未来の営業を悲観する人もいるので(1年目と違って現実を知っている分なおさら悲観的かもしれない)、リスクプレミアムが高い。

というわけで、あまり違わない議論になるだろう。

 

デメリットは、

・辞めてしまうリスクが他の社員に比して遥かに高い

・労働法についての知見をバックボーンに(本人はどうあれ、労働法につよい友人がバックに大量に居る)、強力に居座られるリスクもある

というあたりだろうか。

 

このあたりを踏まえると、雇う対象となるインハウスは、企業法務を取り扱う事務所出身の、2〜5年目の自分の顧客ネットワークを持っていないアソシエイトであって、内向思考的な職人タイプが1つの像なのではないかと思うが、どうだろうか。