この間ウェブマーケティングセミナーに行ってきたんだけど、
講義終了後に一緒に受講してた同期と話になって、

同期「やっぱり弁護士業と他のサービス業の違いはあるよね」
私「まぁなんか違う気はするけど、どこが違うんだろ」
同期「他のサービス業は、サービス提供しちゃってお終いだけど、弁護士業はそうもいかんよね」

という会話になった。

確かにそうやなぁー。。と納得して帰ってはみたけど、例えば経営アドバイザーだったり、美容院だったり、継続的な関係が想定されるサービス業は他にもあるし、改めて弁護士業の特殊な点は何かを考えてみたら、意外に無い。

ただ、何事にも「相対的にみて特殊」というのはあるもので、その中で1つ大きいなと思うのは、

”守秘義務”

の存在だと思う。

弁護士は、法律上秘密保持の義務を負っている。

弁護士法
第23条 弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

しかも、この秘密保持は弁護士会全体としても相当重んじられていて、守らないと弁護士会から懲戒をくらって仕事ができなくなることもある。

なので、どの弁護士も秘密保持についてはかなり強く意識をしている。

この守秘義務の存在は、特に離婚問題に関して弁護士のサービスを利用する上で、非常に大きなメリットのように思う。

というのも、普通夫婦関係で悩んでいる場合、なかなか友人や家族に打ち明けづらい事実というのがある。

ざっと挙げてみると、

・不倫、DVの存在(自分と相手のどちらがやっている場合も、あまり知られたくない事実だろう)
・家計の事情(銀行預金がいくらで、お互いの年収が・・・とか)
・夫婦喧嘩の内容、破綻に至るまでの経緯
・子供や親との関係が悪い場合の、その事実

という感じだろうか。しかも、その内容が「暴力を振るってしまった」「実は子供との同居は望まない」など、世の中的に評価の低いものであれば尚更だろう。家族にすら相談できないかもしれない。

そういうときに最悪な道は、【誰にも言えずにストレスを溜め込み、心身が疲れ果てる】という事態なんだと思う。
弁護士に相談することで、誰にも打ち明けることが出来なかった秘密を、感情を、吐き出すことが出来る。
これは大きなメリットだろう。

この点では、弁護士業は心理カウンセラーや心療内科と機能が似ているところがある。
「現状を変えるつもりはないけど、心が辛い」という時は、むしろ心理カウンセラーの方がその道のプロといえるだろう。

(因みに心を励ますという意味では占い師も似た方向だと思うけども、占い師は15分くらいで3000円とか、実は単価でいうと弁護士の法律相談料や心療内科のカウンセリング料金よりも高額なので、色々思いの丈を吐き出したいときには、コスパが悪いような気がする。)

【どうしていいかわからないけど、辛い。現状を変えたい。】

と思ったら、やっぱり弁護士に相談するべきなんだと思う。少なくとも、

・口外したくなかった事実や、感情を、吐き出して、楽になれる。
・感情の問題と事実の問題を切り分けて考える切っ掛けになる。
・裁判をして離婚できるのか、別居したら金銭的にどうなるのかなど、見通しについてアドバイスをもらうことができる。

ということは言えるし、何より、

・100%自分の味方である存在が、少なくとも1人、確保できる。

というのも大きい。弁護士法25条に従い、未来永劫、絶対に、相手方の味方になることはない。
また、弁護士はあくまでも相談者のために働くので、親兄弟の意見を優先することもない。

(職務を行い得ない事件)
第二五条 弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。ただし、第三号及び第九号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
三 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
(以下略)

勿論、弁護士は弁護士として日本の法律に照らしてアドバイスをするわけで、望むような結果が得られるかどうかはわからない。(むしろ、望むような結果が100%得られるということは非常に稀だと思う。)

けれど、例えば月に1回ずつ相談に行き、現状と今後について話し合うことで、気持ちの整理が出来、次の行動への指針が見えてくるかもしれない。

無料相談をハシゴしてもなかなか得られないメリットなので、話を聞いてくれそうとか、フィーリングが合いそうとか、とにかく長く相談しても良さそうな人だと思ったら、継続的に相談(だんだん「打ち合わせ」みたいになってくると思うけど)するようにしたら良いんじゃないだろうか。